英賀から亀山そして船場へ

1.御修復事業懇志金御依頼趣意

姫路船場別院本徳寺 宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念御修復事業 懇志金御依頼趣意書 

 慈光照護のもと皆様には為法御精進の御事と拝察しお慶び申し上げます。
 平素より、姫路船場別院本徳寺(以下「本徳寺」)の護持運営に多大なるご尽力をいただいておりますこと、厚く御礼申しあげます。
 さて、本徳寺では、二〇三二年度に宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要を厳修する運びとなり、あわせて御遠忌を勝縁として本堂、表門、大玄関の御修復に今年秋から取りかかることとなりました。
 私たちの先達は、宗祖が開顕なされた本願念仏のみ教えを「今」を生きる私たちにまで大切に相続してくださいました。このたびの御遠忌法要では、一人ひとりが本願念仏のみ教えを宗として共に聞法の生活に勤しむことを改めて確認する千載一遇の機縁として厳修いたします。
 「別院」という名称は、明治時代からの呼称ですが、それ以前は「御坊」という名で、地域門徒の聞法道場として、教団内では地方における地方本山(中本山)として本山と寺院・門徒を繋ぐ役割を担ってきました。
 また、本徳寺は「姫路船場御坊」とも称され、享保年間に現在の十七間四面の本堂が建立され、爾来播磨地方における、真宗門徒の信仰の中心として、崇教寺院・門徒はもとより地域の方々によって大切に崇教護持されてきました。
 二〇〇六年には、本堂・表聞(築地塀・燈籠二基含)・大玄関・鐘楼堂が歴史的価値からも極めて重要との観点から、姫路市指定重要有形文化財に指定されました。
 しかし、建立以来三百有余年が経過し、建物は損傷が著しく根本的な修復を行う時期となっております。
 そうした中、本徳寺では、崇教組はもとより教区役職者、別院に関係ある団体の方々を中心に「姫路船場別院本徳寺建造物修復総合整備委員会」を発足し、姫路市文化財課の協力も得て修復に向け協議を重ね、委員皆様のご尽力によって、本徳寺宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌記念事業として、本堂、表聞、大玄関を修復していく「御修復基本計画」を策定いたしました。
 そして、本年七月、別院院議会・教区門徒会の議決を経て、長年の懸案事項であった本堂等を御修復することが決定いたしました。
 このたびの御修復は、伽藍の修復ということに留まらず、今まで脈々とお念仏と共に大切に相続・護持してこられた先達の願いを大切に受け継ぎ、一人ひとりが宗祖のみ教えと念仏道場たる御堂を次世代に手渡していくという自信教人信の精神に立脚すると共に、地域における聞法道場としての興隆を願い、御遠忌記念事業として完遂してまいりたく存じます。
 そして、御修復完了後には真新しくなた御堂で共に宗祖の御遠忌法要を勤めてまいりたく存じます。
 厳しい経済状況の続く中、長期間となる募財のお願いとはなりますが、何卒趣意ご賢察いただき格別なる御懇志を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
二〇一八年八月
姫路船場別院本徳寺   輪番  中根慶滋
姫路船場別院本徳寺建造物修復総合整備委員会
            委員長 湯朝岳明

趣意書PDF

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